(Category:山)

・4日め(12月23日)

 この日はホロンボハット(3720m)から最高所の小屋キボハット(4720m)まで。5時間くらいの行程なので、朝は特に急ぐ必要もなくゆっくり朝食をとって8時20分に出発。4300mを超えた辺りから灌木帯もなくなり砂漠地帯となりましたが、岩がゴツゴツしたいわゆるガレ場は少なく、小石混じりの砂のような所がほとんどで歩きやすいです。

 ここまでは皆元気で順調・・・だったのですが事態は急変。ガイドが突然計画を変更。「今日中に山頂まで登ってしまおう!」と言い出しました。
 本来は翌日深夜にキボハットを出発し早朝に頂上に到達する計画でしたが、それよりも安全で成功率も高いからというのです。想定外の提案に驚きましたが、キボハットで眠ると高山病の症状が出るとの話を聞いたこともありますし、何より経験豊富なガイドの判断なのだから間違いはないのかなと思い・・・暗くなる前に山頂につけるのか心配でしたが、それについても「全然問題ない」というので、3人で相談して提案を受けることにしました。しかし、これが失敗でした。

 キボハットまでは予定よりも早く到着し、ランチ休憩後に出発したのは13時20分。後で調べてみるとここから山頂までは6時間以上かけて登るが基本のようなので、この出発時間は遅すぎです。
 もし、一気に山頂を目指すのであればホロンボハットを6時くらいに出るべきでした。8時過ぎに出て途中で方針変更なんて無計画にもほどがあるのですが、キリマンジャロ登山が初めての私たちが、この時点でそれを判断することなど出来ず・・・。

 標高5000mを超え、高度が増していくにつれて傾斜もきつくなってきて、また空気も薄くなるので息切れしやすくなり、休み休み登りたいところ。しかし、ガイドは休まない。
 「こまめに休憩させてくれ」との私たちの依頼を無視してガンガン登っていく。明らかに急いでいる・・・昨日までの「Pole Pole !(ゆっくりゆっくり)」は何だったんだ?

 キリマンジャロの山頂付近は富士山頂のように「お鉢巡り」をするような構造になっていて、剣が峰に相当する本当の山頂Uhuru Peak(5895m)以外にも、登頂の指標となるポイントがいくつか存在します。その指標の1つGilman’s Pointを直前に控え、ついにIさんがダウンしてしまいました。無茶苦茶なペースだったので無理もありません。「多分体内酸素濃度が急激に下がったんだと思う」とのことでした。

 励ましながら何とかGilman’s Point(5685m)まで到達しましたが、ガイドのタディは「バブー(スワヒリ語でおじいさんの意見)は良く頑張った!」と、ここでIさんを下山させてしまいたい意向が見え見え。Iさんは、年齢は60過ぎで白髪ですが、普段から結構鍛えていて本来であれば何の問題もなく山頂へ到達出来る体力のある方です。私はタディの態度に腹を立て、休憩もそこそこに早くも出発しようとするのを却下して、ここで充分休憩を取りIさんの回復を待つことにしました。私自身もかなり消耗していましたから。
 
 幸いにも、しばらく休憩するとIさんの体調は少し回復し、またアシスタントガイドのエマニュエルがIさんの荷物を代わりに持ってくれることになり、山頂に向けて再出発。ここからは、なだらかな登りなので気力さえ残っていれば何とかなる道のり。途中、もう1つの指標であるStella Point(5756m)などでの休憩を挟み、18時30分ついに山頂Uhuru Peakに到達。息苦しくてヘロヘロの状態でしたが、何とか暗くなる前に到着出来ました。

 キボハットまでの帰り道は暗い中をヘッドライト点灯で下山。良く考えたら、夜間は登りより下りの方が危険度は高いのに、ガイドの判断一体何だったんだ?・・・最終日はクリスマスという日程だから単に早く帰りたかったという理由か?
 既に私たちはタディのことを全く信用しなくなっていたので、急斜面を直滑降するようなルートを選ぶ彼を完全に無視して、元気が戻ったIさんを先頭にジグザグのルートで慎重にゆっくり下山しました。疲れ果てて、所々で滑って転倒したりしましたが、都度エマニュエルに助けてもらい21時半頃に何とかキボハットへ帰着。3人とも夕食を摂る元気もなく、そのままベッドへ倒れこみました。
 
  
・5日め(12月24日)

 体調最悪。キボハットへの下りの途中から頭痛がひどく、胃腸の状態も悪く夜中に何度か吐きました(食べてないんで胃液しか出なかったですが)。急激に高度を上げたせいで高山病になってしまったのかもしれません。山頂でなく、下山時や降りた後に症状が出るものなのかどうかは分かりませんが。朝食時も食欲全くありませんでしたが、そんな私たちにシェフのスープは優しかった・・・。これで少し復活!

 早くに出発しようとするガイドのタディを無視し、体力を回復させることを優先して遅め(10時過ぎ)の出発にしました。ホロンボハットまで3時間程度下るだけなので、急ぐ必要はありません。きっとタディはもう1つ下のマンダラハットまで一気に降りてしまいたかったのでしょうが・・・。

 夕食後に今回のスタッフ全員が集まる機会がありました。私たちが一人ずつお礼のスピーチをした後で記念撮影。タディは「この場でチップを配ってくれ」と要求しましたが、私たちは「下山後ディオニス(ツアー会社の代表)に相談して皆に分配する話になっているから」と、この場での配布を拒否しました。渡すのが翌日になったって別に困らないでしょう・・・他のスタッフはそれでいいと了承してくれましたが、何故かタディだけは納得いかない様子。
 
 
・6日め(12月25日)

 登頂後の下りは、怪我にだけ気を付けて淡々と降りるだけ。いつでもそうですが、下山ってあんまり楽しいものじゃありません。縦走ルートであれば違った景色を楽しめますが、今回は来た道を戻るだけなので・・・。5時間ほどで無事マラングゲートまで帰り着きました。

 ここでディオニスと奥さんの出迎えを受け、また公園事務所から登頂証明書を発行してもらいました。途中で帰ってしまった本来のガイドであるデオも来てました。ディオニスの話によればデオは相談することもなく勝手に下山してしまったとのこと。「あり得ない!」と凄く怒っていました。

 残るはチップ。登山前に予めディオニスに相談して総額は全料金の15%くらいと聞いていたので、1人200ドルの3名計600ドル。これを今回のスタッフにどう分配するか・・・前日夜の相談段階では、まず途中で帰ってしまったデオにチップは不要だろうというのは全員一致。他のスタッフに関して、私の案はネット情報等を元に1日当たり金額×6で
 ・アシスタントガイド 15×6 = 90ドル
 ・コック 15×6 = 90ドル
 ・ポーター 10×6 = 60ドル  ×7名 = 420ドル
 タディはチップ無しというドライなもの。それに対して、Iさんは「さすがにガイドにチップなしはまずいのでは?」という意見で、他のスタッフのチップを少しずつ削ってガイドに充てるものでした。Tさんは2人の決定に任せるとの立場で、最終的にはディオニスと相談しようということにしたのですが、その場で決定的なことが・・・。

 まだガイドとして信用していた頃にタディに「下山後にキリマンジャロコーヒーを買いたいから、いい所あったら紹介して」と頼んでいて「それじゃあゲートの所に取り寄せておくよ」と言われていたのですが、そのコーヒーを手に私たち3人とディオニスの前に現れるタディ。値段は1袋250グラムで10ドルだという・・・そんなの日本で買うより高いじゃん。しかも250グラムって言ってるけど、どう見たって100グラム程度にしか見えないし、ただのビニール袋に入っているだけで本当にキリマンジャロコーヒーなのかどうかも怪しい。我々からぼったくろうとしているのが見え見え・・・これには、さすがにIさんも呆れ果てタディはチップ無しで決まりました。

 ディオニスも今回のタディのスケジュール変更には立腹のようで、私たちに謝罪するかたわら「今後2度と彼に依頼することはない」と断言していました。
 まあ、私たちは何だかんだいっても結局登頂出来たので「過ぎたことはどうでもいいや」という気になれますが、ツアー会社側からすれば顧客が無理な行程で病気にでもなったら信頼を損ないますから、その判断ももっともなことです。

 今回、ガイドだけは残念でしたが、アシスタントガイド、コック、ポーターさん達には感謝していますし、全体的には満足しています。何といっても「3人揃って登頂すること」が重要だったので、それが果たせればガイドの問題など大したことではありません。天候にも恵まれ、雨天用に備えていた登山靴は結局使用しませんでした。

 最後に、登山道・小屋の混雑度についてですが、全体を通して空いていました。最終日(25日)に急激に人が増えて多くの「これから登る人」とすれ違ったので、クリスマス過ぎから年末年始にかけて登山客が集中するのかなと思います。

4300mを超えた辺りからは植生のない砂漠地帯

4300mを超えた辺りからは植生のない砂漠地帯

山頂部

段々山頂部が大きく見えるようになってきました

キボハット(4720m)

キボハット(4720m)

Gilman’s Point(5685m)

Gilman’s Point(5685m)

Stella Point(5756m)

Stella Point(5756m)。向こう側に見えるのが山頂のUhuru Peak

氷河

赤道付近でも氷河があります。でも地球温暖化の影響で急激に減少しているのだそう

Uhuru Peak(5895m)

Uhuru Peak(5895m)

スタッフの方々と記念撮影

スタッフの方々と記念撮影

ホロンボハットの朝日

ホロンボハットの朝日

ポーター兼務で給仕を務めてくれたジョセフ

給仕を務めてくれたジョセフ(ポーター兼務)
現在ガイドになるための勉強をしている好青年

夕食

夕食。美味しいのですが、量が多過ぎて食べきれません

朝食

朝食

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・初日(12月20日)

 ツアー会社の車で登山用具レンタルショップへ寄った後、登山口のマラングゲートへ。モシからは1時間くらい。ここにはキリマンジャロ国立公園の本部があります。ランチの後、入山登録を済ませて登山開始。このゲートの時点で既に標高1800m以上あるので結構涼しいです。まあ、登り始めればすぐに暑くなるのですが。

 今回の私たちの登山ガイドはデオ(Deo)。年齢は聞きませんでしたが見た目は30代。経験豊富なガイドのようですが少しお腹が出ているのが気になる・・・それで登れるの?(まあ、お腹出てても凄い体力ある人ボツワナにも沢山いるので見慣れていますが)。
 アシスタントガイドはタディ(Thadei)。47歳で明らかにデオよりも年上なのですが、英語が片言しか話せない。その辺が未だにアシスタントたる所以なのでしょうか?
 その他の同行スタッフはコック1名とポーター8名の計11人体制。数年前にポーターの運ぶ荷物の重量規制が厳しくなり(1人20kgまで)、今までよりも多くの要員が必要になったそうです。今回ツアーでは、ゲートで全荷物の重量の計測を測り終えた後でポーターの人数が確定しました。フリーのポーターがゲートで待機しているのでしょうか?・・・仕組みは良く分かりません。
 
 初日は楽な行程で、最初の小屋マンダラハット(2720m)まで、4時間くらいかけてのんびりハイキング。キリマンジャロは赤道近くに位置しているので森林限界も高く、この日のルートはずっと森の中でした。実際の植生は日本とはかなり異なるのでしょうが、ぱっと見はあまり変わらない感じで日本の森にいるような感覚でした。

 マンダラハット到着後は近辺を散策。有史以来噴火の記録はないそうですが、キリマンジャロが火山であることの証拠の1つ、マウンディ・クレーターを見てきました。
 
 
・2日め(12月21日)

 この日はマンダラハット(2720m)から次のホロンボハット(3720m)まで。このマラングルートは頂上まで1日約1000mずつ登る設定になっています。峠越えのような登り途中の下りはほとんどないので、獲得標高もほぼ同じ。標高が高くなるにつれて空気が薄くなる点を除けば楽なルートです。だから「コカコーラ・ルート」なんていう呼び名があるのでしょうね。

 3000mを過ぎると森もなくなり、灌木帯へと景色が変わりました。途中ランチ休憩などをはさみ、ゆっくり5時間くらいかけてホロンボハットへ到着。富士山頂よりやや低いくらいの標高ですから、登山慣れしている私たち3名にとって高山病を心配する段階ではなく皆元気。「1日2リットルの水を飲むこと」というガイドの命令を忠実に実行したTさんが少しお腹を壊してしまったようですが。

 ここまでは何の問題もなし、のはずだったのですが・・・。夕食時のミーティングにガイドのデオが来ない。代わりに来たのはアシスタントガイドのタディでした。デオは家族の問題で下山してしまったとの話(家族が急病?詳細不明)。突然のことで驚きましたが、タディが代わりにガイドを務めるとのことで、英語あんまり話せないようだけど、まあ仕方ないし何とかなるでしょう・・・この時点では、これがトラブルの原因となるなんて思いもしませんでした。
 
 
・3日め(12月22日)

 この日は高地順応日で前日同様ホロンボハット泊、移動はありません。午前中に400mくらい登った所にある「ゼブラロック」までハイキングに出かけました。デオの下山、タディのガイドへの昇格に伴い、前日まではポーターをしていたエマニュエルがこの日からアシスタントガイドを務めることになりました。寡黙で普段は最後方を歩いているだけですが、何となく頼りになる感じ(実際、彼にはその後随分助けてもらいました)。

 キリマンジャロ登山のコツは、とにかくゆっくり歩くことなんだそうです。知らず知らずに少し速くなってしまうとガイドに「俺の後ろを歩け」と制止されてしまいます。ハイキングのこの日も同様で「Pole Pole !(スワヒリ語で、ゆっくりゆっくりの意味)」という掛け声とともに、常にスローペースでした。

 午後は自由時間。Iさんは仕事兼趣味の石の観察(珍しい石がいろいろあるようなのですが私には分からず)、Tさんは読書、私はバードウォッチング・・・と思い思いにのんびり過ごしました。

マラングゲートにて、スタート前に記念撮影

マラングゲートにて、スタート前に記念撮影

ファイアボールリリー

ファイアボールリリー

マンダラハット(2720m)

マンダラハット(2720m)

コロブス

コロブス(猿の一種)
マンダラハット近くに何匹か生息しているようで、朝晩に鳴き声が聞こえました

マウンディ・クレーター付近からのキリマンジャロの眺め

マウンディ・クレーター付近からのキリマンジャロの眺め

シロエリオオハシガラス

シロエリオオハシガラス
残飯狙いなのか、各小屋の近辺で良く見かけました

灌木帯

2日目は、ほぼ灌木帯。「山へ来た~」って感じの風景

ロベリア

ロベリア

ホロンボハット(3720m)

ホロンボハット(3720m)
利用者が最も多く、規模も一番大きい

マウェンジ峰(5149m)

キリマンジャロには3つの峰があり、この写真はその1つマウェンジ峰(5149m)
今回登るのは最も高いキボ峰(5895m)

ゼブラロック

ゼブラロック
確かにシマウマみたいな模様です

セネシオ

セネシオ

プロテア

プロテア

デイジーの一種

デイジーの一種

ミヤマイワビタキ

ミヤマイワビタキ
着ぶくれしているような体つきで暖かそう

タテフカナリア

タテフカナリア
こちらも同様、暖かそう

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 ボツワナは本当に居心地が良い所なのですが、残念ながら山がない。なので、山好きとして1年に1回くらいは任国外旅行制度(年20日まで)を使って山登りに出かけたい。前年はレソトのタバナ・ヌトレニャナ山(3482m)に登りましたが、やはりアフリカ最高峰にチャレンジしたい・・・ということで、タンザニアのキリマンジャロへ行ってきました。

 今回はケニア隊のIさん、Tさんとの3名での登山。Iさんは二本松訓練所で大変お世話になった同期隊員。同期とはいっても人生経験豊富な先生のような存在です(実際、教員をされていました)。Tさんは来年3月帰国なので、今回が最後の旅行だそう。

 ボツワナの青年海外協力隊員はタンザニアには渡航出来ない(シニアの私は渡航出来る)ので、多分これまでにキリマンジャロ登山した隊員はおらず、そのため情報がなかなか得られません。一方、ケニアからキリマンジャロへ行った人は過去に多数いるので、登山計画はほとんどケニア隊2名に任せる形となりました。

 選択したルートはスタンダードなマラングルート。「コカコーラルート」とも呼ばれる一番お手軽なコースで、小屋に宿泊出来るのはこのルートのみ(他ルートはテント泊)。日程は通常の4泊5日に高地順応日を追加した5泊6日。ネットで調べた感じでは「5泊6日ならマチャメルートがいいかな?」とも思いましたが、JICA推奨はマラングルートだそうで、私も頂上に立つことが第一で特にルートにこだわりはなかったので、この辺の計画もケニア隊にお任せでした。

 利用したツアー会社はGaia Africana Travelという所。7年ほどの実績があり、これまでにも数多くのJICA関係者が利用しているとのこと。実際、経営者のDionisは信頼のおける人だと感じました。料金は1338ドル(チップ別)で以下を含みます
・5泊6日の登山にかかる費用
入山料、同行スタッフ人件費(ポーター、ガイド、コック)、食事+水、山小屋、レスキュー費(緊急時の保険のようなもの)
・登山前後の宿泊費(Moshi 2泊)Kili Cottages
・宿から登山口(マラングゲート)までの送迎
・空港から宿までの送迎

 当料金のうち入山料が600ドル以上とかなりの割合を占めていて、これはタンザニア政府の懐に入るのだとか・・・。残りで全てをやりくりしなければならないツアー会社も大変ですね。

自前の装備は以下の通り
・寝袋(マイナス6度まで対応のもの)
・レインジャケット・パンツ(ゴアテックス)
・マウンテンジャケット(ゴアテックス)
・山用フリース
・ジャージ上下
・ウインドブレーカー
・ジーンズ
・トレランシューズ(Salomon Speed Cross 4)
・ユニクロのフリースシャツ
・Mizunoブレスサーモの長袖シャツ
・ヒートテック(上2枚、下1枚)
・靴下(冬山用×1、厚手×2)
・替え下着・Tシャツ
・帽子(Moshiの街で500円くらいで購入)
・ニットキャップ
・ネックウォーマー(兼フェイスマスク)
・手袋×2(ニット、登山用)
・ヘッドライト
・サングラス
・日焼け止め
・胃薬
・ティッシュ
・タオル
・カメラ(2台)
・スマホ
・歯ブラシ
・シェーバー
・ホッカイロ(ケニア隊Iさんにいただきました)
・行動食(ビスケット)

これらに加えて、以下はレンタルしたもの(計60ドル)
・寝袋 20ドル
・登山靴 20ドル
・スパッツ 10ドル
・水筒 5ドル×2

 前年にケニア山に登っている同行2名の話によると夜は相当冷え込むとのことなので、寒がりな私は寝袋は自前+レンタルの2枚にしました。また、防寒着も多めに装備。Iさんからいただいたホッカイロは重宝しました。結構荷物多くなっちゃいましたが、今回はポーターさんがついてくれるので、それに甘える形。

 トレッキングパンツは当初購入予定でいたのですが、アフリカではウエストサイズが私にフィットするものが皆無なので(日本でも少ないですが)、履きなれたジーンズで登ることにしました。出発前日夜にガイドによる装備チェックがあり「ジーンズは雨に弱いからダメ」と指摘されましたが「雨の時はレインパンツを上に履くから大丈夫」と押し切りました。万一の場合はジャージパンツもありますし・・・。
 
 登山靴は雨天時の予備としてレンタルしましたが、これまでの登山は全てトレランシューズだったので今回も同様。キリマンジャロだからといって慣れない装備で挑むのはかえってマイナスな気がしたので、寒さ対策以外は普段と同様にするよう心掛けました。高山病対策薬のダイアモックスも同行2名は用意していましたが、私は副作用の方が怖いので携帯せず。副作用が出にくい薬だそうですが、以前ウルトラマラソン時に初めて服用したガスター10で失敗した記憶があるので・・・。

 トレッキングポールは「使用しない派」なので携行せず。今回はたまたま3名とも「使用しない派」でしたが、これは好みの問題かと思います。

 ガイドは「水は最低2リットル持つこと」と忠告しましたが、私は水分摂取があまり必要でないタイプなので、これを無視して水筒は500ml入りと1リットル入りを1つずつの計1.5リットル。これでも多すぎるくらい(実際500mlだけで充分足りました)。水たくさん持つと荷物が重くなって、その分水分補給が必要になるような・・・。なお、レンタルの水筒は保温機能のないものでした。山頂付近は寒くて暖かい飲み物が欲しくなりますし、私たちは大丈夫でしたが水が凍ってしまうこともあるそうなので、サーモスの水筒を用意しておけば良かったと後から思いました。

 フライトの都合でモシ(Moshi)には登山開始2日前の朝に到着したので、2日間街をぶらぶらしていました。

キリマンジャロ国際空港

キリマンジャロ国際空港
左側に見える山がキリマンジャロなのかと思いましたが、違う山(メルー山)でした。

モシ駅

モシ駅。廃線となったのか、長いこと使われていない様子

店頭で洋裁をしている人

モシの街には店頭で洋裁をしている人が結構いました。

Union Cafe

街で見つけたカフェ(Union Cafe)でランチ。
結構人気のカフェだったらしく、アイスコーヒーが美味しかったです。

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 アンカラナ特別保護区でツィンギーを見た翌日はアンバー山国立公園へ。こちらはディエゴスアレスの街から比較的近く車で1時間くらい。
 この辺りはマダガスカルでも最北端、南緯12度~13度に位置しているとあって気温が高く、6月であってもディエゴスアレスの街では半袖1枚で過ごせますが(私はマラリア対策で長袖着てましたが)、ここアンバー山は標高が高いこともあり街よりも10度くらい低いのだそうです。また、雨が多いこともあり、距離的にはさほど離れていないアンカラナ特別保護区とは植生もかなり異なるとのこと。緑豊かな森が広がっていて、快適なハイキングを楽しめました。
 もちろん、マダガスカルですから固有種の宝庫、珍しい動物・植物にもたくさん出会えました。
 
 その翌日、ディエゴスアレス周辺滞在の最終日(4日め)は、フランス山というディエゴスアレス湾を見渡せるスポットへ。こちらは山というよりも丘といった感じの所で、1時間程度で登れます。頂上付近には、19世紀にフランス軍によって築かれた砦の跡が残っています。頂上からの湾の眺めは抜群なので、きっと見張りにも適していたことでしょう。

緑あふれる森

緑あふれる森
(アンバー山国立公園)


マダガスカルヒメショウビン

マダガスカルヒメショウビン(カワセミの仲間)
ピンボケになってしまいましたが、この鳥に会えたのが一番嬉しかったです。
(アンバー山国立公園)


ハガタムラサキ

ハガタムラサキ
(アンバー山国立公園)


指乗りカメレオン(ヒメカメレオン)

指乗りカメレオン(ヒメカメレオン)
ガイドさんは世界最小って言ってましたが、最近近くの島で最小のカメレオンが発見されたらしいので、世界で2番め?
(アンバー山国立公園)


カメレオン

普通のカメレオンはマダガスカル中にいるので、発見しても「ああカメレオンね」って感覚になってしまいます(笑)
(アンバー山国立公園)


ファラノーク

ファラノーク(マングースの仲間)。結構レアな動物らしく、ガイドさんは興奮してましたが、私は鳥の方が・・・
(アンバー山国立公園)


ガジュマル

他の木に絡みつくように寄生するガジュマル
(アンバー山国立公園)


ガジュマル

寄生された木は朽ち果て、ガジュマルだけが残された状態
(アンバー山国立公園)


カムフラージュするヤモリ

カムフラージュするヤモリ。ガイドさんに言われてから、認識出来るまで3分位かかりました。答えは最後に
(アンバー山国立公園)


滝

滝。地元の方にとって神聖な存在なのだそうです
(アンバー山国立公園)


T字バオバブ

フランス山の麓付近に生えるT字バオバブ


フランス山・山頂から望むディエゴスアレス湾

フランス山・山頂から望むディエゴスアレス湾


ヌシ・ルンガ

ディエゴスアレス湾に浮かぶ島、ヌシ・ルンガ
神聖な島で、ここに入ることはタブーとされているそうです。


フランス山・山頂の砦跡

フランス山・山頂の砦跡


カムフラージュするヤモリ

カムフラージュするヤモリ【答】 (上の写真を横にして拡大)
(アンバー山国立公園)

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 今回滞在したサニパス(Sani Pass)はドラケンスバーグ山脈にある峠の1つです。ドラケンスバーグとはアフリカーンス語で「竜の峰々」という意味だそうですが(英語のドラゴンに通じるのでイメージしやすい)、その名の通り荒々しい山容で、この山脈の尾根が南アフリカとレソトの国境となっています。また、当山脈周辺のマロティ・ドラケンスバーグ公園は世界遺産に登録されています。

 滞在初日に登ったタバナ・ヌトレニャナ山もこの山脈中にありますが、主稜からはやや外れているためドラケンスバーグ特有の険しい山々や絶壁の景色はあまり見られません。そこで2日目、3日目は、サニパス周辺でそんな景色が見られる所を散策しました。絶壁に沿って歩いてみたり、尾根を登って眺めを楽しんだり。タバナ・ヌトレニャナ登山の疲れが残っていたので午前中のみの散策で午後は宿でのんびりしていました。この時期は雨季に当たるようで、両日とも午前は晴れていても午後からは雨になったので、遠出をしなくて正解・・・というよりも初日にタバナ・ヌトレニャナ山に登っておいて本当に良かったです。

 4泊したサニパスでの滞在を終え、相乗りタクシーで麓のモコトロンへ(100マロチ=約850円)。モコトロン着は11時過ぎ。もうマセル行きのバスは出てしまっているので、ここに宿泊しようかと思ったのですが、天気が良くなかったので「それなら行けるところまでいってしまおう」とButha Buthe(マセル―モコトロンの中間に位置するレソト第2の都市。)行きのミニバスに搭乗。行きに乗った大型バスと違い、ミニバスは飛ばしまくりで怖い!しかも、スピードの出し過ぎが原因かは分かりませんが、途中で「何だか煙臭いなあ」と思ったらどうやら故障したようで・・・後輪の車軸から煙が出てストップしてしまいました。運転手は修理を試みていましたが、結局直せず1時間以上待った後に代替の車が到着して乗り換え。安全運転で走っていた方が到着早かったんじゃないの? まあ、この手のトラブルはアフリカでは日常茶飯事、事故にならなくて良かったです。Butha Butheからは2台のミニバスを乗り継いで、夜8時過ぎにマセルに到着。

 サニパスは本当に景色が良い所でしたが、移動に時間がかかるのが難点。ドラケンスバーグの見どころは南アフリカ側に多いみたいなので、本当はダーバン側からアクセスしたかったです。JICA隊員の南アフリカ渡航禁止規定さえなければ・・・。

レソトの伝統的住居

レソトの伝統的住居。農村部ではたくさん見かけました。


ドラケンスバーグ山脈の絶壁

ドラケンスバーグ山脈の絶壁


谷を挟んだこちら側もやはり絶壁です

谷を挟んだこちら側もやはり絶壁です


なぜか絶壁に佇むヤギたち

なぜか絶壁に佇むヤギたち


草を食む牛たち

草を食む牛たち


シュバシコウ

シュバシコウ。コウノトリの一種のようです


Hodgeson's Peak (North)

Hodgeson's Peak (North)に登ってみました。3,251m


Hodgeson's Peak North山頂からの眺望(1)

Hodgeson's Peak (North) 山頂からの眺望(1)


Hodgeson's Peak North山頂からの眺望(2)

Hodgeson's Peak (North) 山頂からの眺望(2)


Hodgeson's Peak North山頂からの眺望(3)

Hodgeson's Peak (North) 山頂からの眺望(3) 本当は写真左のHodgeson's Peak (South)にも登りたかったのですが(標高3,256mなのでNorthよりも5mだけ高い)、向かう途中で馬に乗った少し怖めの羊飼い2名に追われた関係で断念。逃げ場の無さそうな形状なので・・・。写真右側の山へ登り何とか逃げ切りました


帰りのミニバスの車窓から

帰りのミニバスの車窓から。レソトにはテーブルマウンテンのような丘がそこら中にあります


故障したミニバス

乗っていたミニバス。途中後輪車軸から煙が出てストップ。「アフリカあるある」でしょうか・・・


レソトのナンバープレート

レソトのナンバープレート。国旗にも採用されている伝統的な帽子「バソトハット」がデザインされています

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 サニパスには4泊することにしたので、終日行動出来る日は3日間。そのいずれかにタバナ・ヌトレニャナ山に登りたい。タバナ・ヌトレニャナ山は直接距離でもサニパスから片道13km近くあるので結構遠いです。しかも決められた道や標識があるわけではないのでガイドを雇うのが無難ですが(500マロチ=約4,300円)、前日に申し込まなければならないので当日の天気を見て判断出来ないのが難点。ドミトリーで部屋が一緒になったフランス人は「ガイドを雇わずGPSを頼りに登ったよ」と言っていたので、それも不可能ではなさそう・・・。

 そんな状況で迎えた初日。この数日胃腸の調子が悪く体調は今一歩でしたが、天気は快晴。「とりあえず途中まで様子見で行ってみよう」と、雨具などの装備を整えて出発しました。フランス人ハイカーが持っていたGPSには登山地図が入っているのか山頂までのコースが点線で書かれていましたが、私のGarminにはOSMデータを入れているだけなので、情報は目的地(タバナ・ヌトレニャナ山)の位置情報のみ。コースも途中の山容も分からないので「まずは目の前の山に登って見よう。そうすればタバナ・ヌトレニャナ山が見えるだろう」と直線的なルートを選択。

タバナ・ヌトレニャナ山までのルート

タバナ・ヌトレニャナ山までのルートは、このGPSの位置情報のみ

 「登った先は尾根づたいになっていてそのまま山頂まで行けるかな?」なんて淡い期待を抱いていたのですが、そんなに甘くはありませんでした。登った先の向こう側は谷になっていて同じくらいの高さを下る羽目に・・・。幸いなことに歩いているうちに体調は上向いてきたので、もう少し奥まで行ってみようと奥の山に登りますが、これが結構きつい! 

kniphofia

この山域各所で見かけた花。kniphofiaという南アフリカ原産の植物のようです。

 コースが分からないと高低差のロスが大きいルート取りとなってしまうのでハードです。また、想定外だったのが結構高い所でもそこら中に羊・ヤギがいること。一応、私も元羊飼いですから羊がいても全然問題ないのですが、羊がいるということは牧羊犬もいるわけで見知らぬ者(=私)が近づくと吠えまくって追ってきて無茶苦茶怖いんです! 犬を避けた迂回ルートを何度もとらざるを得ませんでした。羊飼いに会うのもまた厄介で・・・基本的には友好的で、犬が吠えるのも抑えてくれるのですが例外なく金品を求めてくる。まあ、要求に応える必要はないのですが、とにかく面倒なので接触を避けるため、遠くに見えるとこれまた迂回・・・かなりのロスになったと思います。

羊がいるのどかな風景です。牧羊犬さえいなければ

羊がいるのどかな風景です。牧羊犬さえいなければ・・・


標高3000ⅿ超でも草さえ生えていればそこに羊あり

標高3000ⅿ超でも、草が生えていればそこに羊あり

 出発から3時間半後、ようやくタバナ・ヌトレニャナ山が見えました。でも、まだはるか先・・・。もう引き返そうかなとも考えましたが、せっかくここまで来て戻るのも勿体ないし、天候も崩れる気配はないので続行することにしました。

タバナ・ヌトレニャナ山

ようやくタバナ・ヌトレニャナ山が見えました(写真中央)


タバナ・ヌトレニャナ山頂

タバナ・ヌトレニャナ山頂。「ここが山頂!」って感じがあまりしない山です。

 結局、休憩なしの歩き詰めで5時間超、往路にして既にクタクタでしたが何とかタバナ・ヌトレニャナ山頂に到着しました。最後の1kmくらい、頼みもしないのに羊飼いの少年2人がついてきましたが、「山頂で写真撮影頼めるからいいかな」と拒絶しませんでした。予想通りお金を要求してきましたが、20マロチ(約170円)で満足してくれたので撮影代と考えればまあOKでしょう。

タバナ・ヌトレニャナ山頂にて新旧羊飼いのツーショット

タバナ・ヌトレニャナ山頂にて新旧羊飼いのツーショット


山頂からの眺望

山頂からの眺望


毛布を着た羊飼い

この辺りの羊飼いは、ほぼ100%毛布を着用しています。夏でも朝晩は冷え込みとはいえ、さすがに昼は暑いと思うのですが・・・もはや着ているというより肌と一体化している感じ?

 復路は、往路の教訓を生かして高低差が少なくなるようなルートを心掛けたのですが、それでもなおハードで、牧羊犬回避ロスや疲れも相まってやはり5時間くらいかかりました。
 天気が1日もってくれたのはラッキーでした。この翌日、翌々日はいずれも午前中は快晴でも午後は雷雨となったので、この日に登っておいて良かったです。

午後になってもこの青空。天候に恵まれました

午後になってもこの青空。天候に恵まれました

 GPSのみで行った私が言うのもなんですが、ルート選択や牧羊犬・羊飼い対策、気候の変わりやすさ等を考慮すると、タバナ・ヌトレニャナ登山にはガイドを雇った方が絶対に良いです。

今回の山行ルート

今回の山行ルート。ハイキング地図(宿に置いてあるのを登山後に発見)によれば、もっと左(西)側から回り込むようなルートをとれば、標高差も少なく楽だった模様


標高グラフ

標高グラフ。距離30km超で累積標高差2000m以上・・・そりゃあ、疲れるはず!

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 JICAボランティアには「私事目的任国外旅行制度」というものがあり、1年のうち20日間まで受入国以外へ旅行することが出来ます(もちろん自費です)。

 青年海外協力隊の場合は受入国毎にそれぞれ行ける国が定められていて、ボツワナの場合はケニア、マラウイ、南アフリカ、ザンビア、ジンバブエの5か国のみ。しかも、ケニアは2013年に発生したテロ事件以降渡航禁止、南アフリカも治安上の理由によりケープタウンのみ渡航可能となっているので、行ける国はかなり限られます。
 私はシニア海外ボランティアなので渡航可能国の縛りはありませんが、渡航禁止国の規定は青年海外協力隊と同じなので上述のケニアや南アフリカ(ケープタウンを除く)には行けません。

 任地のボツワナですら、まだ一部にしか行っていない状況ではありますが、せっかくアフリカに滞在しているのだから、この機会に周辺の国を訪問してみたい・・・ということでクリスマス休暇を利用して初の任国外旅行、行き先はレソト!

 レソトは周囲を南アフリカ1国に囲まれています(包領というそうです)。「南アフリカが渡航禁止なので、その中にすっぽり入るレソトもダメかな?」と思いつつもJICAに申請したところ、渡航許可が下りました。

レソトの位置

レソトの位置。周囲360度を南アフリカ1国に囲まれています


 ボツワナもレソトも同じ内陸国。出国から半年近く、海鮮料理が恋しくなるこの時期にわざわざ同じ内陸国のレソトを選んだ理由は・・・「山」です。レソトにはボツワナにはない山がある。アフリカ南部の最高峰タバナ・ヌトレニャナ山(3482m)を登るのが目的です。
 
 レソトへのアクセスですが、ボツワナからの直行便はないので、ハボロネからヨハネスブルグで乗り継いで首都マセルへ。まあ、ボツワナから他国へ渡航する場合は大概ヨハネスブルグ経由になりますから、それ自体は特に不便というわけではありません。
 ただ、タバナ・ヌトレニャナ山を目指す場合はサニパスという国境の地がベースとなるのですが、ここまで行くにはマセルからよりも南アフリカのダーバンからのアクセスの方が良いのに、「南アフリカが渡航禁止」というルールがある以上、マセル経由で行かざるを得ない・・・というのが何とももどかしい。
モショエショエ1世国際空港

マセルのモショエショエ1世国際空港。「世界で1番地味な首都の空港」と紹介しているWebサイトも・・・タクシーすらいないとの情報もありましたが、私の到着時にはシャトルタクシーが来てました(街の中心まで100マロチ=約850円)。
ちなみにレソトの通貨ロチ(複数形:マロチ)は南アフリカのランドと等価で、ランドも普通に使えます。


Maqalika Scenery Guesthouse

マセルで宿泊した宿「Maqalika Scenery Guesthouse」の部屋。1泊朝食付きで5000円くらい。スタッフがとても気さくで居心地が良く、帰りもここに泊まりました。バス・タクシー乗り場から徒歩20分ほど


 
 マセルで1泊して、翌日早朝発のモコトロン(サニパスの麓の街)行きのバスに乗ったのですが、クリスマスのせいか故郷へ帰省する乗客が多く激混み。人や荷物で通路まで完全に塞がっていて完全に過積載の状態です。
バス待ちの行列

モコトロン行きのバス。出発時刻は6時、6時半、7時など訊く人によって異なります。余裕をもって5時半に到着したのに、既に凄い列。多数の乗客と大量の荷物で搭乗に時間がかかり、結局出発したのは7時過ぎ。出発時刻の情報がまちまちだったのも、あながち間違いではないようです。


 モコトロンまでの道は「国道1号線」なのでレソトのメインルートといって良いのですが、途中3200m超の峠を越えるなど山道ばかり。「途中下り坂で制御が効かなくなったりしないだろうか?」なんて心配もしましたが、運転手さんは慎重過ぎるほど速度を落とす安全運転でした。ただし、その分所要時間は長くなりますし、途中のバス停やトイレ休憩などでも通路の荷物を全て降ろさないと乗降出来ないので、とにかく時間がかかりモコトロンまで10時間弱。その間、ろくに身動きも出来ない状態だったので疲れました。
トイレ休憩

途中、川のある所でトイレ休憩


 モコトロンからサニパスへはミニバスが走っていますが、これは朝しかないようなので当初はモコトロンに1泊する予定でした。でも天気予報を見ると翌日が一番良さそう。「それならば、この日のうちにサニパスに到着してしまおう」とタクシーを使うことにしました。交渉して6000マロチ(約5000円)、ちょっと高かったですが山登りに一番重要なのは天気・・・結果、この選択は成功でした(詳細は次回記載)。
サニパス国境ゲート

サニパス国境レソト側の出国ゲート。向こうは南アフリカ・・・ビザは不要ですが、うっかり出国してしまうとJICAにこっぴどく叱られてしまう(南アフリカは渡航禁止)ので要注意!


 宿泊先はサニパスのレソト側にある唯一(多分)の宿Sani Mountain Lodge。普通の部屋はお高いのでバックパッカー用施設のドミトリーを利用しました(1泊275マロチ=約2300円)。バックパッカー用施設はロッジとは少し離れていますが徒歩圏内。宿泊棟と共用棟の2棟構成で共用棟にはトイレ・シャワー・キッチンがあります。キッチンのコンロはガス式ですが、着火するにはマッチかライターが必要。マッチは近所のショップに売ってます。ショップでは缶詰、パスタなど最低限の食料も手に入ります。食器や鍋はありますが、備え付けの調味料はありません。冷蔵庫はありますが発電機が動いている時間(夜の数時間のみ)しか作動しません。まあ、涼しい所なので大きな問題はありませんが・・・。
Sani Mountain Lodge バックパッカー用施設

宿泊したSani Mountain Lodgeのバックパッカー用施設。左が宿泊棟、右が共用棟(トイレ・シャワー・キッチン)


ドミトリーの部屋

私の宿泊したドミトリーの1室。6人用


Sani Mountain Lodge本館

Sani Mountain Lodge本館。バックパッカー用施設とは少し離れた所にあり、当然の如くこちらの方が眺めが良い。そんなに差別化しないでバックパッカー用施設も隣に建ててくれればいいのに・・・

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 熊ノ平小屋は、最寄りの山である間ノ岳からも結構離れているので(山の地図によれば登りは3時間)、ご来光を見るにはロケーション的に難しいのですが、テラスからの朝風景はとても綺麗でした。夜の星も素晴らしく、本当に心地良い所でした。

 この日は熊ノ平小屋から北岳山頂を経由して広河原へ降りるルートです。前日よりも楽な工程ですし、広河原からのバスは伊那市バスとは違い夕方まで便数豊富なので特に急ぐ必要はないのですが、日曜日の夕方となると広河原は大混雑必至。小屋出発は早いに越したことはないので、夜明けとともに出て朝食は途中で、と当初は計画していたのですが、前日に朝食時間を伺うと4:30からと早め・・・それならばいただいてから出発しよう!と予定変更しました。朝食も夕食同様にとても美味しかったので正解でした。

 5時少し前に出発。間ノ岳まではずっと登りですが険しい部分はほとんどなく、あっさりと山頂に到着。昨年に標高が改定されて1m高くなり、日本3位タイに昇格した間ノ岳ですが、山標は変更されていないので以前の標高のまま。あくまでも個人的な印象ですが、相変わらずパッとしない山ですねえ(^^;)
 それでも北岳-間ノ岳ルートのルートに入ると、すれ違う登山者の数がずっと多くなりました。装備を見ると北岳山荘辺りに荷物を預けて間ノ岳までピストンしている人が結構多そうな感じです。間ノ岳ってそこまでして登る山ではない気がするんですが、やはり百名山になっている関係でしょうかねえ。なぜ深田久弥さんは間ノ岳を百名山に選んだのでしょう・・・選定ポイントは標高だけ?
 と、随分悪く書いてしまいましたが、間ノ岳は北岳を眺めるには最高のポイントだと思います。北岳はこちら側からのアングルが一番カッコよく見えます。
 
 今回のルートでは北岳山頂までの登りも結構楽でした。広河原から登る際の一番の難所は梯子が連続する八本歯のコル周辺なんでしょうが、難所といっても大したことはないので、北岳も塩見岳同様に難易度低めです(もちろん、北岳バットレスなどのバリエーションルートは別)。
 当然といえば当然ですが、北岳山頂は間ノ岳以上の賑わいでした。天気も良く眺望抜群。気持ち的なものですが、ここからの富士山の眺めは格別です! 富士山を見るには日本で一番高い場所なのですから・・・。

 広河原までの下りルートは、4年前に来た時には台風の影響で閉鎖されていた大樺沢コースを選択したのですが、当コースは渡渉がいくつもあるほか、道自体が沢になりかけている箇所も結構ありました。ゴアテックスなど防水性の高い登山靴でないと厳しいかも・・・特に登りで靴を濡らしてしまうと後が大変です。私は、今回は軽さ重視で普通のジョギングシューズ・・・奇跡的にほとんど濡らさずに走破出来ましたがコース選択を間違えました。

 毎日欠かさずジョギングをしていても、やはり登山では使う筋肉が違うので全身筋肉痛。いい運動したなあと実感します。

熊ノ平小屋の朝風景

熊ノ平小屋の朝風景

朝日を浴びる塩見岳

朝日を浴びる塩見岳

間ノ岳山頂付近

間ノ岳山頂付近

間ノ岳山頂

間ノ岳山頂。山標は旧標高のまま

間ノ岳より望む北岳

間ノ岳より望む北岳

北岳山頂

北岳山頂

賑わう北岳山頂

やはり北岳山頂は賑わっていました。

北岳山頂より富士山を望む

北岳山頂より富士山を望む

北岳山頂からの眺望 鳳凰三山

北岳山頂からの眺望
鳳凰三山

北岳山頂からの眺望 八ヶ岳

北岳山頂からの眺望
八ヶ岳

北岳山頂からの眺望 塩見岳

北岳山頂からの眺望
塩見岳

北岳山頂からの眺望 仙丈ヶ岳

北岳山頂からの眺望
仙丈ヶ岳

北岳山頂からの眺望 甲斐駒ヶ岳

北岳山頂からの眺望
甲斐駒ヶ岳

北岳バットレス

北岳バットレス
 

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 週末(7月25・26日)を利用して南アルプスの塩見岳・北岳を縦走してきました。
 塩見岳はずっと登りたいと思っていたのですが、登山口までのバスの運行期間が短い(今年は7/18~8/30)ことなどから、なかなかタイミングが合わず、今回ようやく実現出来ました。北岳は4年前の秋以来2回目です。
 
 鳥倉登山口行きバスの発着点である伊那大島駅までは、夜行の毎日あるぺん号を利用しました。毎日あるぺん号は各路線とも竹橋始発ですが、駒ヶ根・伊那大島・戸台口行きは八王子から乗車出来るので府中在住の私には便利です。中央道のルートでは駒ヶ根よりも伊那大島(松川インター)の方が遠いのに、当バスは最初に伊那大島駅に着きます(戸台口が中央道から離れている関係ですかね)。八王子発が24:15なのに3時過ぎには到着しました。結構近いですね。登山バスの出発時刻は6:45と時間が空いてしまうので、「同じ塩見岳行きの人が何人かいればタクシーに相乗りさせてもらおうかな」なんて淡い期待を持っていたのですが、伊那大島で降りたのは私一人・・・塩見岳人気ないんですかね? さすがに一人でタクシーに乗るのは気が引けるので(料金12,000円ですし、そもそも予約してません)、朝まで駅で仮眠・・・伊那大島駅は拍子抜けする程小さな駅で駅前には店の1件もありませんが、夜中でも開いていたので助かりました。

 鳥倉登山口までのバスの料金は2,490円。「確かネットで調べた時には1,600円くらいだったはず・・・記憶違いかな?」と思ったのですが、この日山小屋で一緒になった方から聞いた話では荷物代が50%加算されるとのこと。なるほど、大切な荷物なので子供料金相当は仕方なしということなのでしょう。まあ、伊那市も運営が大変なことでしょうしバス路線を維持してくれるだけでも感謝しないと・・・。
 バスは「よくこんな急坂を登れるなあ」なんて思うような道を通り、登山口到着は8時半くらい。塩見岳・北岳を2日間で縦走するとなると、宿泊地は熊ノ平小屋のほぼ一択となりますが、鳥倉登山口から熊ノ平小屋までの所要時間は地図によれば13時間弱。私の場合は機動力重視なので、そこまではかからないでしょうが9時間くらいは見込んでおいた方が安全。その場合、8時半スタートだと17:30着、暗くなる前には着けそうですが、これだと夕食を用意してもらえない可能性があるので、予め食料は多めに準備しておきました。
 熊ノ平小屋ではちょうど逆ルートで縦走されている方とお会いしましたが、伊那大島駅・松川インター行きのバスは鳥倉発14:25なので、そちらのルートの方が時間的にタイトですね(その方は広河原から熊ノ平小屋まで7時間で走破されたそうなので、きっと間に合ったことでしょう)。

 塩見岳山頂までの登山道は整備されていてとても歩きやすかったです。三伏峠小屋までは10分の1毎に案内板があり参考になります。山頂近くは岩がゴツゴツしていますが、鎖やロープが必要となるほどではなく、子供でも登れそうな感じです。ただ、今年は塩見小屋が建替工事で休業中なので、ゆっくり登山される方には工程的に少しキツイですかねえ。
 一方、山頂から熊ノ平小屋までのルートは登山者も多くないのか、倒木や生い茂った草で道が分かり辛くなっている箇所もありました。といっても、コースロスしてしまう程には荒れていませんから、悪天候でなければ危険度は低いです。

 そんな歩き易い道にも助けられ所要時間は6時間半少々。計画よりも随分早い15時過ぎに到着出来ました。熊ノ平小屋はトイレが離れた所にあるなど設備が最小限でこじんまりとした造りですが、とても居心地の良い所です。美味しいと評判の食事も噂に違わず素晴らしい! 過去に泊まった山小屋の中で最高かも。
 でも、この時期の土曜日にも関わらず宿泊客は15人程度とガラガラ。元々、メジャーなルート上に位置していないので、というのもあるのでしょうが、今年の場合は塩見小屋が利用出来ないことが影響しているかもしれません。三伏峠小屋まで(から)では遠すぎるとの理由で、このルートを避けてしまう人も結構いるのではないかと思います。
 お奨め出来る素晴らしい小屋なので、利用客が少なくて閉鎖なんてことにならないようもっと賑わって欲しいのですが、静岡市営なのでそんな心配は不要かな?
 しかし、静岡県の上に突き出た部分の先っぽに位置するこんな場所(下図参照)まで静岡市とは驚きです! さすがは静岡市、一時期は面積日本一でしたからねえ。
 ※平成の大合併の関係で、現在は5位まで下がってしまいました。

静岡県

熊ノ平小屋の位置。こんな所でも静岡市です!


 
 

伊那大島駅

伊那大島駅。小さな駅ですが夜中でも開いてました

鳥倉登山口

鳥倉登山口

塩見岳登山道

登山道は整備されていて歩きやすいです

三伏峠小屋までの案内板

三伏峠小屋までは10分の1毎に案内板があります

塩見小屋は建替工事中

塩見小屋は建替工事中。2016夏に再開予定
 

塩見岳

塩見岳。深田久弥が表現した「鉄兜」の言葉がまさにピッタリ。勇ましい山容です

塩見岳山頂付近

塩見岳山頂付近。ゴツゴツしてますが難易度は低め

塩見岳山頂(西峰)

塩見岳山頂(西峰)

塩見岳山頂(東峰)

塩見岳山頂(東峰)
こちらの方が5m程高いです

塩見岳山頂からの眺望(南東方面)富士山

塩見岳山頂からの眺望(南東方面)
富士山

塩見岳山頂からの眺望(南方面)

塩見岳山頂からの眺望(南方面)
荒川岳など

塩見岳山頂からの眺望(西方面)中央アルプス

塩見岳山頂からの眺望(西方面)
中央アルプス

塩見岳山頂からの眺望(北方面)仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳・北岳・間ノ岳など

塩見岳山頂からの眺望(北方面)
仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳・北岳・間ノ岳など

塩見岳山頂より甲斐駒ヶ岳を望む

塩見岳山頂より甲斐駒ヶ岳を望む
甲斐駒は夏でも白いので遠くからでもすぐに分かります

ちょっとしたお花畑

ちょっとしたお花畑

塩見岳(竜尾見晴付近より)

塩見岳(竜尾見晴付近より)

熊ノ平小屋

熊ノ平小屋

熊ノ平小屋の目の前にそびえる農鳥岳

熊ノ平小屋の目の前にそびえる農鳥岳

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 先日登った大菩薩嶺では、まだ紅葉が始まったばかりだったので、今度こそは紅葉を楽しみたい・・・と両神山を登ってきました。

 両神山は直線距離は結構近いのですが、アクセスが悪いため今回が初めて。
 日向大谷からのルートが一般的ですが、八丁峠ルートの方が鎖場が多く、また紅葉を楽しむのもこちらのルートの方が良いという話を聞いていたので、八丁峠ルートを選択しました。このルート、車があれば八丁トンネル登山口まで行けるので良いのですが、バスではそこまで行けません。かなり手前の坂本から登ることになります。朝4時起きで始発電車(府中本町5:01発)に乗り、坂本バス停に着いたのは8時過ぎ。3時間あれば京都まで行けちゃいます ^^;

 坂本から八丁峠までのルートは、昭文社の地図には「不明瞭箇所あり」と記載されていますが、それでも実線コースですし付属冊子にも紹介されているくらいなので、まあ大丈夫だろうと考えていたんですが・・・甘かったです。不明瞭なんてものではありません。もう全然わからない。倒木等で道が遮られている箇所の多いこと多いこと。コースガイドのリボンが一応あるのですが、もともと数が少ない上に、随分前に取り付けられたせいなのか、取り付けた枝が折れて落葉と同化していたり、色が褪せてしまってすぐ近くからでないと認識出来なかったり・・とあまり役に立ちません。
 途中、何度も沢を渡りますが、こんなルートですから当然の如く橋などありません。最初のうちは靴が濡れないように頑張っていましたが、一度失敗して水に浸かってからは開き直ってジャブジャブ渡ることにしました。変に無理して転倒して全身を濡らすよりも始めから靴を濡らすことを覚悟しておいた方が無難ですね。
 ルートを失い引き返すということを何度も繰り返してかなりの時間をロスし、最後は完全に分からなくなって道のない崖をよじ登ることに・・・何とかルート復帰してほっと一息でしたが、その地点は八丁トンネルからのルートとの合流後だったので、かなりの距離をルート外で登ったんじゃないかと思われます。紅葉シーズン真っ盛りのはずなのに、同じバスからこのルートに入ったのは私一人。やはりマイナールートなんでしょうね。地図は点線にした方がいいのではないかと思います。
 
 八丁峠から先は明瞭で間違えることもありません。岩場が多くて「登山をしてる感」を楽しむことが出来ます。鎖場が連続していますが、大部分は安全のための鎖であって、なくても登れる程度なので危険度は高くないと思います(もちろん油断は禁物で、雨で岩が濡れている時には特に注意が必要ですが)。私にとっては坂本-八丁峠間の方がずっと難コースでした。

 紅葉は・・・期待していた程ではありませんでした(少し期待が大き過ぎたのかも・・・)。山頂付近の紅葉は既にピークは過ぎている感じでした。山肌はいい具合に染まっていたので、綺麗な場所もあるはずなのですが・・・ひょっとするとルートを失って崖を登った辺りがちょうど見頃だったのかもしれません。でもまあ、天気には恵まれて山頂からの眺望を楽しめたので良かったです。

 下りは日向大谷ルートを選択。こちらは至って普通の山道で、紅葉が綺麗な箇所もあまりなし。やはり両神山に登るなら八丁峠ルートがお薦めです。ただし、坂本ルートは前述の通り荒れ放題なので・・・車がないと不便ですね。バスの場合、距離が長くなっても坂本から八丁トンネルまで車道を歩く方がいいかもしれませんが、こういう山道を『攻める』バイクや車も多そうですからこちらも安全とは言えませんかね。

坂本ルート登山口

坂本ルート登山口
 

『大岩』地点

『大岩』地点
この前後にルート不明瞭箇所多数

紅葉(八丁峠手前)

紅葉(八丁峠手前)

八丁峠

八丁峠

八丁峠-行蔵峠間

絶好の登山日和でした(八丁峠-行蔵峠間)

紅葉(八丁峠-行蔵峠間)

紅葉(八丁峠-行蔵峠間)

行蔵峠より八丁峠を望む

行蔵峠より八丁峠を望む

八丁峠ルートは鎖場の連続です

八丁峠ルートは鎖場の連続です

山肌は綺麗なまだら模様

山肌は綺麗なまだら模様

両神山頂

両神山頂

山頂からの眺望(富士山)

山頂からの眺望(富士山)

山頂からの眺望(八ヶ岳)

山頂からの眺望(八ヶ岳)

山頂からの眺望(浅間山)

山頂からの眺望(浅間山)

山頂からの眺望(槍ヶ岳・穂高)

山頂からの眺望(槍ヶ岳・穂高)

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