2013年3月23日(土)
 府中の森公園の桜並木は、現在工事中で何とも興醒めですが満開間近。当公園内の府中市美術館にて開催中の「かわいい江戸絵画」を観覧してきました。

 


 章立てで「かわいい」という言葉の歴史や、表現方法等についていろいろと解説されていましたが、そういった難しいことは考えずに単に作品を見て楽しみました(おそらく当展覧会の趣旨もそうだと思われます)。
 展示作品は、やはり「かわいい絵」ということで動物を描いた作品が多いです。定番の七福神もいろいろ。また「鬼の念仏」という主題で描かれている作品が数点ありました。偽善への戒めだそうですが、本来は怖い存在である鬼ががユーモラスでまさに「かわいい」姿で描かれているというのは興味深いです。
 集客の目玉となるような大物作品はなくとも、良作・秀作揃いで充分楽しめます。

豆兎図

豆兎図
(森一鳳)

寿老人図

寿老人図
(仙がい義梵)

托鉢図

托鉢図
(伊藤若冲)

鬼の念仏図

鬼の念仏図
(三熊花顛)

狗児図

狗児図
(円山応挙)

鹿猿猴図

鹿猿猴図
(森狙仙)

 本展は前期(~4月7日)と後期(4月9日~5月9日)とで全作品の展示替えが行われるため、もちろん後期も観覧します。

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 3月19日(火)
 早くも桜が咲き始めている上野公園の東京都美術館へ。遅ればせながらエル・グレコ展を観覧してきました。
 観覧前は、どちらかというと「見に行きたい」というよりも「見ておかなければ」という義務感のような気持ちの方が強かったのですが、そんな風に思っていたことが申し訳ないと思える程、迫力ある作品に圧倒されっぱなしで本当に行って良かったと思える展覧会でした。

 私は元々宗教画にはあまり興味がなく、何点も続くと飽きてしまうことが多いのですが、「上目づかいの丸くて大きな眼」「陰影が強調された衣服の皺」といった特徴のエルグレコ独特の世界には強く引き込まれました。
 本展の目玉「無原罪のお宿り」は予想通りの大迫力作品で感動モノでしたが、個人的に最も惹かれたのは「悔悛するマグダラのマリア」。キリスト教への造詣など全くないのに何故か心が洗われるような気持ちになり、作品の前でしばらくの間固まってしまいました(他の方には迷惑だったかも)。「聖ラウレンティウスの前に現れる聖母」の衣服の生地(ベルベット?)の質感も見事でした。

 この日は平日でしたが結構混んでいました。土日の混雑度はこれ以上でしょうから、思うように観覧出来なかったかもしれません。平日訪問で正解でした。
 本展の作品は約50点と少なめですが、その1点1点がズシリと重いので、むしろ普段よりも観覧に時間がかかりました。充実感でいっぱい!

無原罪のお宿り

無原罪のお宿り

悔悛するマグダラのマリア

悔悛するマグダラのマリア

聖ラウレンティウスの前に現れる聖母

聖ラウレンティウスの前に現れる聖母

修道士オルテンシオ・フェリス・パラビシーノの肖像

修道士オルテンシオ・フェリス・パラビシーノの肖像

 昨年のゴヤに続いてスペイン3大画家の特別展が実現。はたして、真打ベラスケスは・・・?

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ようやく春めいた気候になってきたので、神奈川県足柄上郡の大井町まで菜の花を見に行ってきました。
晴れていれば富士山が見えるのですが、この日は空が霞んでいて見られず。こんな空も春の特徴ですかね。

篠窪地区

篠窪地区(1)


篠窪地区

篠窪地区(2)


篠窪地区

篠窪地区(3)


篠窪地区

篠窪地区(4)


ひょうたん池近く

ひょうたん池近く(1)


ひょうたん池近く

ひょうたん池近く(2)

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 3月16日(土)
 この春は、行きたい展覧会がたくさんあるので、少し訪問ペースを上げていかないと・・・。まずは、八王子夢美術館「大正ロマン昭和モダン展 竹久夢二・高畠華宵とその時代」へ。
 八王子夢美術館は2003年に開館した比較的新しい美術館です。建物は美術館単独のものではなく、下層が商業施設で上層がマンションのビルの2Fにあります。地方の美術館としては珍しい形態ですが、1Fにはスーパーが入っているなど生活に根ざした身近な印象です。収蔵作品は少なめで、特別展も地味なものが多いですが、いろいろとアイデアを絞って頑張っている印象。

八王子夢美術館(外観)

八王子夢美術館(外観)


八王子夢美術館(入口)

八王子夢美術館(入口)


八王子夢美術館(展示室エントランス)

八王子夢美術館(展示室エントランス)


 「大正ロマン昭和モダン展」は、竹久夢二や高畠華宵、中原淳一、蕗谷虹児といった挿絵画家の作品を紹介する特別展。夢二らの描く女性の絵は憧れの存在だったとのこと。現在でいう「an an」「can cam」等ファッション誌のモデルのような位置づけだったのでしょうか?そのせいか、観覧者はご年配の女性が多い印象でした。「懐かしいわねえ」などと話してらっしゃる方もいましたが、さすがに大正や昭和初期の作品をリアルタイムで経験された程の「超ご年配」ではないはずなんですが・・・。まあ、確かに懐かしさを感じさせるような作品の数々でした。
 主に大正時代に活躍した夢二の作品は日本髪を結って和服を着た女性が大部分。中原淳一らの描く女性は昭和初期くらいまでは和服姿が多いものの、戦後になるとほとんどが洋服・・・とファッションの変遷が作品から感じられて面白かったです。
 特に興味を惹いたのは少女雑誌『少女の友』付録のカード「ランドゲーム」(中原淳一:昭和15年)。各国の国旗が描かれているのですが、インド国旗はユニオンジャック、ドイツはハーケンクロイツ、中国(中華民国)は五色旗(赤・黄・青・白・黒)とまさにこの時代ならではのもの。数点展示されていた絵双六も時代を感じさせる興味深いものでした。
 「大正・昭和時代へタイムスリップ」というのは大袈裟ですが、結構楽しめました。
大正ロマン昭和モダン展 ちらし

大正ロマン昭和モダン展 ちらし

 観覧後は、美術館から徒歩5分位の洋食屋さん「お茶楽久」でランチ。実はこちらの方がメインだったりします。一見高級そうな雰囲気なのですが、店内はAM(文化放送)が流れているあたり何とも庶民的。
 大好きなオムライスは前回注文したので、今回は別のものを・・・とハンバーグにしようとしたら、残念ながら売り切れとのことで、欧風カレー(野菜)にしました。「欧風」だけあってインドやネパール等の本場の味ではありませんが、じっくり煮込まれたルーの中にブロッコリー、ナス、じゃがいもがゴロゴロ。これはこれでとても美味しい!ライスの量も多く食べごたえ充分。これにサラダ・スープ・コーヒーにデザートのアイスクリームまでついて850円ですからCPはかなり高いです。
 ランチタイムは16時までと長いのも嬉しいです。美術館帰りには是非!おすすめです(唯一、喫煙可というのはネック。禁煙にして欲しい所ですが)。

野菜カレー

野菜カレー 大きめにカットされた野菜がゴロゴロ


セットのサラダ

セットのサラダ ドレッシングが美味!


セットのスープ

セットのスープ 具だくさんです

八王子夢美術館 「大正ロマン昭和モダン展」 はコメントを受け付けていません。   

 3月10日(日)開催のIZU TRAIL Journey(第1回伊豆松崎・修善寺間山岳競争大会)に参加してきました。
 寒いのが大の苦手なので冬の間はちまちまと平地を走っていました。今年初のトレラン大会出走、それもいきなりのロングとあって、とても楽しみにしていたのですが・・・つまらないものとなってしまいました(あくまでも個人的な感想ですが)。
 天気予報では晴れだったはずなのに、レース当日は朝からどんよりとした曇り。期待していた眺望はいまいち。しかも、尾根伝いは台風が直撃したかのような物凄い強風で、吹き飛ばされないようにするだけでも一苦労といった始末。『悪条件を克服するのもトレランの醍醐味』なんていうランナーも結構いるようですが、私にとってのトレランの魅力は良い景色の中を気持ちよく走ること(これがほぼ全て)。本来の意味とは異なりますが『お天気屋』なので(本来の意味でのお天気屋でもありますが)、こんな天気になってしまうと・・・。
 コースも眺望が開けるのは40km過ぎくらいからで、それまでは単調なもの。コースプロデューサーの鏑木毅さんは前夜祭で「ここはバラエティに富んだ魅力的なコースです」と説明されていましたが、どの大会でも同じようなことおっしゃってるんですよねえ。楽しみにしていた富士山が、最後の方になってようやく顔を出してくれたのがお慰みでしたが、長い距離をだらだらと進むだけの修行のようなレースになってしまいました。まあ、雨にはほとんど遭わなかったことと、この時期にしては異様な気温の高さ(東京では夏日を記録したとか)で強風でも凍えずに済んだことは幸いでしたが、もし寒波が襲来していたらと思うと・・・この時期このコースでの開催には少々無理があるのでは?

 開催初回の大会に不備やトラブルはつきものですが、私は「記念する第1回大会に参加出来る喜びはそれらを補って余りある」と感じるタイプなので、そういう大会を見つけると喜んで参加しています。結果、大抵は大満足して帰ってくるのですが、今回ばかりは・・・(正確には心底ガッカリだったのは上野原トレイルレースに次いで2度目)。
 今大会は準備不足にも程があります。エントリー時のトラブル(サイトの接続障害)、案内通知が届かない、レース当日になってもWebページは未完成、エイドのトイレは数が少なすぎて大渋滞(山のレースではよくあることですが30分近く待ったのは初めて)などなど、不備は挙げればきりがないのですが、なんといっても最悪だったのが公表では70kmとなっていたレース距離が実際には75kmだったということ。それを前日に初めて説明するとは! 前夜祭でこの事実が明かされた時には拍手や笑いが起こっていたので、歓迎される方は多かったのかもしれません。早いタイムで余裕で完走出来てしまうようなランナーにとっては、このくらいの変更は大したことない?。しかし、私のような完走がボーダーラインの者にとっては5kmの違いは大問題です。実際、私は距離(70km)、累積標高差(約4,200)、制限時間(14時間)という条件をクリア出来るか、過去のレース実績(といっても比較対象はハセツネくらいですが)から勘案し、熟慮の上で「体調を崩さなければなんとか完走出来るだろう」とエントリーを決めたので、もし最初から75kmだと分かっていたら多分控えていたことでしょう。
 山道の距離測定が難しいことは勿論知っていますので多少の誤差は仕方がありません。しかし「地図ソフトでは70kmだったのですが、実測してみたら75kmでした」との説明。つまり、まともに調査することもなく告知・募集をしていたということです。さらにその事実を前夜祭まで明かさないとは論外です。この日の私はいつになく体調が良くロングトレイルでは定番になってしまっている内臓系トラブルが全くなかったこともあり何とか完走出来ましたが、あとちょっとの所で完走出来なかった(70kmなら充分完走出来た)方にとってはあまりにも惨い仕打ちでしょう(あの強風の中頑張ったのに・・・)。また、完走は出来てもゴールが遅れたことで「予約していた電車に乗れなかった」「終電に間に合わなかった」といったトラブルに見舞われ翌日の予定に狂いが出た方もいらっしゃることでしょう。
 これらは事前に分かっていれば回避出来ますが、前日の告知ではどうにもなりません。本来トレランでは予期せぬ事態も想定すべきなのでしょうが、公表距離の嘘は『予期せぬ事態』ではありません。過去にも募集時には50kmだった距離が諸事情で43kmに短縮されたレースを経験していますが(白馬国際トレイルラン)、この時は変更時点での告知・謝罪がきちんとありました。

 あの強風吹き荒ぶ尾根(仁科峠他)で道案内をして下さった方々(レースを走るよりずっとキツイです)、前述したトイレ渋滞に巻き込まれたランナーに食料を配る機転を利かせて下さった方、
ゴールの修善寺でシシ汁を振る舞う方々の人柄が滲み出るかのような温かい対応etc…ボランティアの皆さんは素晴らしく、感謝しきりですが、それだけに、それらの上に立つ大会運営者の杜撰さは何とも残念。荒れた山道の整備など、いろいろと苦労されたという話は伝わっていますし、全く怠けていたわけではないのでしょう。しかし、他の大会でも関係者の方々は例外なく苦労されています。今大会だけが特別なんてことはないはず。
 また、私の受けた印象としては、地元の盛り上がりも今一つ。特にゴール地点の修善寺等・・・(根回しが足りないのでは?)。そのせいか、いつもの遠征では「今度はレース以外でも再訪したいなあ」と思うのに(白馬、戸隠、富山、神戸、他多数)、今回は全くそういう気分になりませんでした。これが私だけの感想であれば良いのですが、もし同じような考えを持たれたランナーが多いのであれば、大会としては失敗でしょう。
 準備期間が足りないのであれば、開催を半年ないし1年ずらせば良いのに・・・。

 長々と愚痴のようなことを書いてしまいましたが、このレースに満足された方も多いようですし、私のような感想は少数派なのかもしれません。大会関係者に改善を要求するような面倒なことはしません。初めて訪問したレストランの味・応対が悪ければ、そこには二度と行かない。それと同じこと。
 しかし、果たしてこの大会の第2回はあるのか?

スタート地点(松崎港)

スタート地点(松崎港)


猫越岳(レース最高地点)

猫越岳(レース最高地点)


仁科峠より眼下に第2エイドを望む

仁科峠より眼下に第2エイドを望む


達磨山からの眺望(土肥港方面)

達磨山からの眺望(土肥港方面)


レース終盤で待望の富士山!

レース終盤で待望の富士山!

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 甲府の山梨県立美術館は「ミレーの美術館」として知られていますが、今回は「富士の国やまなし国文祭記念事業」の一環として所蔵のミレー作品全てを一挙大公開!・・・ということで、その最終日の3月3日(日)に駆け込み遠征してきました。府中から甲府までは高速バスで2時間弱なので遠征というのは大袈裟ですが・・・。
 当美術館は初訪ですが、地元の府中市美術館の館長である井出洋一郎さんが、かつて学芸員をされていたとのことで、勝手ながら姉妹美術館を訪れたかのような感覚。

山梨県立美術館

山梨県立美術館

 展示のミレー作品は70点。大部分は版画や素描画ですが、ゴッホも模写した目玉作品『種をまく人』をはじめ、オルセー所蔵の落穂拾いと同じような構図で描かれた『落穂拾い、夏』や『夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い』、『鶏にえさをやる女』など、いかにもミレー的な農民の生活を描いた油彩画も何点かあり、物足りなさは全く感じませんでした。
 個人的にはクレヨン・パステルで描かれた『雁を見上げる羊飼いの少女』が一番のお気に入り。元ひつじかいなもので羊が描かれた作品は無条件に高評価になってしまいます。

種をまく人

種をまく人
(ジャン=フランソワ・ミレー)

落穂拾い、夏

落穂拾い、夏
(ジャン=フランソワ・ミレー)

鶏に餌をやる女

鶏に餌をやる女
(ジャン=フランソワ・ミレー)

雁を見上げる羊飼いの少女

雁を見上げる羊飼いの少女
(ジャン=フランソワ・ミレー)

夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い

夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い
(ジャン=フランソワ・ミレー)

ヴォージュ山中の牧場風景

ヴォージュ山中の牧場風景
(ジャン=フランソワ・ミレー)

ポーリーヌ・V・オノの肖像

ポーリーヌ・V・オノの肖像
(ジャン=フランソワ・ミレー)

冬(凍えたキューピッド)

冬(凍えたキューピッド)
(ジャン=フランソワ・ミレー)

 この他、テオドール・ルソーやコロー、トロワイヨンなどバルビゾン派の作品も同時展示。これら作品の多くはサイズが大きく、迫力があって見応え十分でした。なかでもヨンキント(すみません。知らない画家でした)の『ドルドレヒトの月明かり』が一押し。バルビゾン派ではないようですが・・・。

フォンテーヌブローの森のはずれ

フォンテーヌブローの森のはずれ
(ピエール=エティエンヌ=テオドール・ルソー)


ドルドレヒトの月明かり

ドルドレヒトの月明かり
(ヨハン・バルトルト・ヨンキント)

 これだけ充実した内容にも関わらず、常設展扱いで観覧料が500円というのは驚きです。
 しかも、一旦会場を出てしまうと再入場出来ない美術館が多い中、ここはチケットの半券を持っていれば、その日のうちなら何度でも入場出来るとのこと(特別展でも同様なのかは要確認)。
 そのため、美術館併設のレストラン・カフェでの休憩をはさんでじっくりと観覧することも可能です。私も途中退出して、ここでランチをとりました。地鶏卵を使用したオムライス。価格は1200円とやや高めですが、美術館内施設としては標準的。ランチタイムだとサラダ・スープバー付き(スープはコンソメの1種類のみでしたが)なのはポイント高いです。店員の接客レベルはかなり残念な感じでしたが・・・。

オムライス

オムライス(¥1,200)

サラダとスープ

サラダとスープ

 都内ならいざ知らず、地方都市でこれだけ充実した美術館はなかなかないと思います。夏にはオランダ・ハーグ派展が予定されています。ハーグ派を紹介する展覧会は日本では初めてだそうで、再訪決定です。

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