12月28日(土)

 今年の美術館巡りの〆は横浜美術館の「生誕140年記念 下村観山展」。プーシキン美術館展ほか行きたい特別展はいくつかあったのですが、足が遠のいてしまっていて昨春のエルンスト展以来約1年半ぶりの訪問です。その間に、美術館の向かいにMARK IS みなとみらいがオープン。大きな施設ですが「どこにでもあるようなテナントばかりで、わざわざ遠出する程ではない」との噂なので、美術館とセットで観光というには不向きでしょうか?ついでに買い物という目的なら・・・。

美術館入口

美術館入口。既にお正月モードで松飾り


MARK IS

美術館向かいのMARK IS


 下村観山は、同じく岡倉天心の門下である横山大観ほどの知名度はありませんが、作品の質では負けず劣らず。本特別展では11歳の頃に描いた作品も出品されています。11歳といったら今ならまだ小学生だというのに、既に凄い出来です。しかも主題が羅漢図等・・・とても子供が興味をもつような類ではないので、まさに早熟の天才ですね。
しかも早熟のまま終わってしまう訳ではなく歳を重ねる毎に様々なものを吸収していったようで、本展の出品作品の画法・作風も多彩で、しかもどれも完成度が高い。
 メイン作品の1つ「小倉山」は素晴らしかったですが、個人的には「春日野」に一番惹かれました。
 その他、観音様の顔が何故かモナリザになっている「魚籃観音」はとてもユニーク、ラファエロの「小椅子の聖母」の模写は、もはや模写というレベルを超越した作品でした。絶筆となった「竹の子」も繊細で素晴らしかったです。
春日野

春日野


小倉山

小倉山


 本展覧会は「岡倉天心生誕150年・没後100年記念」の第2弾。前回の「横山大観展」と合わせて観覧するのがベストだったのでしょうが、本展のみでも充分見ごたえがありました。
 2014年2月11日(火・祝)まで(展示替えあり)。

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 12月22日(日)
 八王子夢美術館の特別展「前田寛治と小島善太郎 1930年協会の作家たち」に行ってきました。

八王子夢美術館

八王子夢美術館


 以前に府中市美術館で見た作品が良かった小島善太郎の作品を見るのを楽しみにして行ったのですが、どうもイメージが異なる・・・。帰ってから調べたら府中市美術館で見た作品の画家は「児島善三郎」でした(笑)。この2人は実際によく名前を間違えられたとのことなので、私だけではないようです。「安井曾太郎に似た感じだなあ」と思ったら、その安井に師事してとのこと。やはり師に似た作風となるものなのでしょうか?
 勉強不足の私にとって前田寛治も未知の画家。病気により33歳という若さで早逝してしまったとのこと。柔らかいタッチで色遣いも原色が少なく中間色の多い優しいもので、見ていて落ち着く感じ。
 また、「1930年協会」には佐伯祐三も名を連ねていて、本展にも2点出品されています。
 前田寛治と小島善太郎、いずれも知名度は高いとはいえないせいか館内はガラガラでしたが、素晴らしい絵画作品の他にも両名のフランス留学中のメモ帳や「1930年協会展」時の出前注文表(ウナギが人気だった模様)なども出品されていて内容は充実。ゆっくりと観覧を楽しめました。
 2014年2月2日(日)まで。

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 12月14日(土)
 今春に府中市美術館で開催された「かわいい江戸絵画」で何枚か目にして以来気になっていた大津絵を取り上げた展覧会「大津絵大図解」が開催されるとあって、町田市立博物館まで行ってきました。この日が開催初日。
 この博物館は、アクセスがかなり悪く何処の駅からも遠いです。まあ、私はジョギングで行ったので駅からの距離は関係ないのですが・・・。

町田市立博物館

町田市立博物館


 大津絵とは江戸時代に東海道の大津宿周辺で販売されていた絵画で、土産物として人気があったようです。肉筆画と版画の中間的なもので、スタンプ的なものや型紙などを使用してパターン化されたベースを作り細部を筆で描いて仕上げるという手法で量産されたとのこと。現代の値段で1,000円くらいとお手頃価格で売られていたそうです。そのため芸術的な価値は高いとはいえませんが、当時の庶民の文化を知る史料としての価値は高いと思います。
 「太鼓を落としてしまった雷様」や「鼠に酒を飲ませて酔い潰れたところをつかまえようと企む猫」などユーモラスなものが多く、また本展では丁寧な解説もついているので理解度が深まり観賞をより楽しめました。

雷公

雷公

鬼の行水

鬼の行水

藤娘

藤娘

竹に龍

竹に龍

猫と鼠

猫と鼠

 ちなみに「人気の土産物」で連想したものはペナント。若い人はきっと知らないでしょうが、私が子供の頃は土産物の定番でした。絵葉書派だった私は集めていませんでしたがコレクターは多かったはず。今や絶滅危惧種のようですが(既に絶滅?探せばある?)。

 注目度が低いようで会場はガラガラでしたが、結構お薦めです。遠征するほどではないかもしれませんが・・・。前期は2014年1月13日(月・祝)まで。後期は2014年1月18日(土)~2月11日(火・祝)。前後期で全点展示替え。

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 12月5日(金)
 ターナー展を観覧に東京都美術館へ。ターナーの作品は、昨年の巨匠たちの英国水彩画展(Bunkamura)他で何度か見ているので、本展覧会の優先順位はあまり高くなかったのですが、平日に都合がついたので。

 「フェルメール程の人気ではないから平日なら空いているだろう」と思ってたのですが、結構混んでました。上野の美術館はツアー旅行の訪問先に含まれることが多いので、展覧会の内容とは関係なく賑わう・・・とかでしょうか? まあ、それでも土日でないだけましで、行列で「○分待ち」なんてことはありませんでした。

 本展覧会では大きな油彩画が多く出品されていて驚きでした。これまで見ていたターナー作品は、ほとんどが小さい水彩画だったので・・・。

 初期から中期くらいまでの若い頃の作品には、しっかりと描きこまれた正統派(?)なものが多かったですが、これらにはあまり惹かれませんでした。良いことは良いのだけど「これだったら他の人でも描けるんじゃない?」といった感じで・・・。しかし、後期作品には「これぞターナー」といった魅力的な絵が多数。中でも「平和―水葬」と「レグルス」の2点が突出していると思いました。今回見れると勝手に思い込んでいた「雨、蒸気、速度-グレート・ウェスタン鉄道」が出品されていなかったのは残念。後で調べたら、これはナショナルギャラリー所蔵でした(今回来日した作品は全てテート美術館所蔵のものです)。

 全体としては、正直期待していた程ではありませんでしたが、見逃して後悔するよりは良かったかな・・・。

「レグルス」

「レグルス」


「サン・ベネデット教会よりフジーナ港の方角を望む」

「サン・ベネデット教会よりフジーナ港の方角を望む」


「平和―水葬」

「平和―水葬」

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